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アナログ制御とデジタル制御
 フィードバック制御において、現在も依然、PID制御が多く用いられています。PID制御は制御演算式が簡単で、しかも簡単な割には非常に良い制御が期待できます。また、古くから数多くの研究がされており成熟された制御手法といえます。
 その実現方法として、アナログ回路を使用した制御器が多用されていました。しかし、アナログ演算では演算精度が低く、さらに各演算器にドリフトがあるために長期安定性、耐環境性が悪いという問題があります。さらに、複雑な演算を行おうとすると、多数の演算器を組み合わせる必要があり、これに伴い演算精度の低下、大きなスペースを必要とすることなど問題も挙げられます。
 その為、最近ではコンピュータを使用したディジタル制御が多く用いられています。アナログ量をA/D変換をした後に、コンピュータで処理を行い、演算結果をD/Aを通して制御対象に出力をします。ディジタル信号処理においても、PID制御が多く用いられますが、たんなるディジタルへの置き換えではありません。コンピュータにて制御を行っているため、全体のシステムを構成した後に、状況に応じ安易に制御方式を変更できる点が大きな特徴です。
 ディジタル制御においても現実にはPID制御が多数使用されています。しかし、高度な制御が要求される場合、単純なPID制御では間に合いません。そのためより複数のPID制御を組合わせたり、新しい理論を応用した高度な制御方式が用いられています。
 新しい制御理論としては、現代制御理論、エキスパートシステム、ファジィ理論などさまざまなものが用いられています。
 アドバンスド制御も、上記の新しい制御を含めてディジタル制御でなくては不可能というものはほとんどありません。しかし、アナログ制御を用いたのではハードウェアが複雑になってしまいます。また高度な制御が要求される場合である程、実際に制御してみてからさらに制御方式を変更し、改善したいという要求が多くなります。ソフトウェアはハードウェアよりも、変更や改良が容易です。
 以上のように、コンピュータの演算機能を活用することによって、高度かつ経済性のある制御システムを構築することができます。これがディジタル制御のメリットです。

デジタル制御の実際
・リアルタイム性
 フィードバック制御を行うには、常にセンサーの値を取得し、『演算』、『操作』をする必要があります。その制御は逐次行う必要があり、サンプリング時間が不安定であってはいけません。遅い制御ならばPCでも問題になりませんが、比較的速い制御を行うときにはマイクロプロセッサーを使わないとリアルタイム性が保証されません。

・逐次処理
 センサーなどのデータの取得方法として、1サンプルごとに取得する方法と、あるサンプル数をバッファリングする方法がありますが、比較的速いフィードバック制御では前者を推奨します。バッファリングをすると入力から結果出力までの時間が多く必要となってしまい、結果として位相遅れの原因となってしまいます。
 センサー量のサンプルを行った直後に制御演算を行い、次のサンプリングクロックまでに出力を行うのが理想です。
 アプリケーションによっては、A/D変換の時間を短縮するための高速なA/D, D/A変換ボードを使用する場合も多くあります。

・演算能力
 ディジタル信号処理を行う際は、加算、乗算などの数値演算を主として行います。短時間の間(1サンプリングクロックの間)に、多くの数値演算を行わなければならないため、ハードウェアの乗算器を内蔵しているDSPを使用をお勧めします。(汎用のマイクロプロセッサは機器の制御を主として設計されております。)




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